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第二テーマ館 日航123便「御巣鷹の尾根」墜落事故 

日航機事故「真実のゆくえ」関連書
(2013/07/21更新)

御巣鷹の尾根 「いのち」のゆくえ、関連書で紹介している書籍とは
一部、分類に無理もありますので、是非あわせてご覧ください



米田憲司 著   御巣鷹の謎を追う 日航123便事故20年             
宝島社 (2005/07) 定価 本体 1,890円+税


 著者はジャーナリストとして、事故の経緯を長年にわたり詳細に調べあげ、これまで指摘されてきた数々の疑問に本書で再整理してくれていま
す。
 事故現場特定が遅れた理由については、米軍、航空自衛隊などが計測した墜落地点に大きな誤差はなかったにもかかわらず、防衛庁の発表
後すべて長野県側に流れてしまう経緯を詳細に明かしています。また、事故直後、真っ先に現場上空に到達していた米軍ヘリは、なぜ救助を中
止したのか、米空軍アントヌッチ中尉の証言を掲載しています。
 事故調査委員会がはじめから圧力隔壁説に固執し続け結論を急いだわけなどは、そのまま今日に至るまで重大な問題を引きずる最大の原因と
思われます。

 特別付録として適度に雑音処理加工されたJL123ホボイスレコーダーとCG映像DVDがついてます。
「率直にいって、DVDを見ているとつらくなってくるかもしれない。しかし、最後まで見てほしい。そして123便事故について考えていただきたい」

 事故から20年たって、再三にわたり事故を引き起こし、異例の国土交通省の介入をまねいている日航の姿や信楽鉄道の反省も虚しく引き起こし
てしまったJR福知山線での大惨事など、御巣鷹の経験はまだまだ語り続けなければならないことを痛感させられます。
 本来、事故調は123便事故を通じて、世界に発信されるべき「安全のための教訓」を導き出していなければならなかった。







藤田日出男 著   隠された証言  日航123便墜落事故
新潮社 (2003/08) 定価 本体1,500円+税

 

 事故当初から疑問視されていたことがらのうち、墜落場所の特定と現場救出作業が遅れたこと、事故原因が圧力隔壁の損傷によるものとはとて
も断定し難いという二つのポイントを、17年経てようやく、内部告発などの協力を得て信頼されうる資料と情報で整理された待望の本です。
 墜落位置の特定は、これまでの例からは信じられないほど素早く、運輸省からの出動要請もまだない段階の19時1分に、百里基地から自衛のF
-4ファントム2機が発進していたり、米軍のC130輸送機の確認だけでなく、米軍の救出ヘリがいったん現場上空までたどり着いているにも関わら
ず日本側の救出があるからと追い返したあげく、その後、長野県側に墜落などの情報がとびかったりして、結局翌日の日の出後(日の出時降下も
可能であったはず)の救出作業になってしまったことなど、豊富な資料をもとに疑問点が整理されています。
 また、4名の生存者が発見されてから現場にヘリが到着するまで、ヘリポート付近で2時間近くも待たされた原因が、運輸大臣と消防長官の移
動に使われた可能性が大きいなどの注目すべき指摘もされています。
 そして、これまでも様々な方面から指摘されていたことですが、事故原因が圧力隔壁の破損によるとの事故調の報告が、様々な証言や報告か
ら機内の急減圧が明らかになかったことなどから、考えられないことであるにもかかわらず、圧力隔壁原因の結論を先に出してツジツマ合わせに
終始した調査報告に値しないものともいえることが、詳細に立証されています。
 今さらながらにこうした事実を突きつけられると、17年経とうが、あの事故はまだ終わっていないことを痛感させられます。





あの航空機事故はこうして起きた
藤田日出男 著
新潮社(2005/09) 定価 本体1,000円+税

 著者は、日航機事故から20年の8月12日放送のドラマ「ボイスレコーダー〜残された声の記録〜ジャンボ機墜落20年目の真実」(TBS系)に実
名キャラクターで登場(再現ドラマの部分では、竹中直人が演じた)今や多くの支持者を持つ元日航パイロットで航空機事故調査のエキスパート
(以上、本書帯より)

 過去のいかなる惨劇も、きちんとした調査と情報の公開がその後の安全への大きな教訓を生み出す貴重な財産になりうるにもかかわらず、それ
を徹底していない日本の現実を、123便事故だけでなく、世界の航空機事故の事例から訴えています。

    





日航機墜落 123便捜索の真相
河村一男 著
(元群馬県警察本部長、元日航機事故対策本部長)
イースト・プレス  (2004/08) 定価 本体1,600円+税








悲劇の真相 ―日航ジャンボ機事故調査の677日―    
鶴岡憲一、北村行孝著  読売新聞社(1991)


 事故調査委員会が圧力隔壁説一辺倒の検証に傾いていた問題ばかりでなく、飛行機の安全・救助体制の改善になぜ、事故調査委員会は取り
組まなかったのか。日航123便事故は、激突に近い墜落の場合ですら、生存者が多数ありうることを証明しているにもかかわらず、航空機は未だ
に、時速60〜80km走行の自動車の安全設計にも至らない。
  事故調の初代の八田委員長は、高い安全性を誇ってきたベストセラー機であるジャンボ機に、ジェット旅客機を製造したこともない日本が、その
設計変更を求めるようなことは、当然困難が予想されたが、八田委員長は病床にありながらも安全提言を行うことを決意していた。米国に遠慮す
るには520人という犠牲者はあまりに大きく、また後任の委員長に対して、負担をかけるよりは、自分の代でやり終えてしまいたかったという。
 それがどうして結論先行、未完成の事故調査報告書に終わってしまったのか。
 当時、議院運輸委員会で「航空事故絶滅に関する決議」も決議されており、事故調予算獲得は有利かのように見えたが、大蔵省の壁は予想以
上に厚く、当初の事故調予算はYS−11のエンジン2基の交換費程度になってしまった。その後、85年度政府予備費として、2億2400万円、86
年度予算として4500万円が調査費として追加されることになるが、決して十分なものではなかった。相模湾の海底探索などに対する批判だけで
なく、山積する研究、調査の内容に「予算が足りなかった」という言い訳はしたくない武田委員長のプライドもあったようであるが、やはり、国の安
全システムの問題としてふり返るべき資料を本書は与えてくれています。
「〈略)事故調は、ともすれば製造国に気兼ねし、運輸省や捜査当局との関係で制約を受けて、自己規制まで行う弱腰の機関だった。ところが、そ
うした従来の体質に引きずられながらも、事故調は日航ジャンボ機事故の677日に及ぶ調査を通して、様々な側面で自ら枠を突き破っていった。」
(あとがきより)
 今日まで課題を残す「未完の事故調」の当時の内情を詳細にまとめあげた1冊。


雑誌掲載の関連文(米田憲司著『御巣鷹の謎を追う』より)
藤田日出男「『隔壁破戒』はなかった LAL123便御巣鷹山15年目の真実」(新潮社『新潮45』2000年8月号)
青木謙知「ドキュメント その時、自衛隊は 自衛隊事故当夜の動き」(航空ジャーナル『航空ジャーナル』1985年11月号)
神浦元彰「事故直後、航空自衛隊が特定した墜落地点を誰が葬ったか」(集英社『プレイボーイ』1985年11月26日号〜86年1月14日号)
西沢優「『日航機墜落事件』のさらなる公開質問状」潮書房『丸』1997年8月号)
藤原源吉「航空機事故と信頼性管理方式の反省点」(信頼性学会『信頼性』2004年4月号
藤原源吉「日航ジャンボ機御巣鷹山墜落事故−再び発生した圧力隔壁疲労破壊の証明すること」(技術と人間『技術と人間』1999年1・2月合併
号〜2000年12月号)
落合由美「高度八千メートル『生きていたから』語れる真実」〈新潮社『新潮45』1986年1月号)
松永貞明・増岡鼎「日航事故・自衛隊批判に応える」(文藝春秋『文藝春秋』1985年11月号)
泰郁彦・鍛冶壮一・村井澄夫「JAL機墜落『危機管理』の盲点」文藝春秋『諸君!』1985年10月号)





吉原公一郎   普及版 ジャンボ墜落
人間の科学社  (1994/06/20) 定価(本体1300+税)

上野村村長さんが追悼慰霊祭の場で、現在の航空業界が割り引き競争に走るあまり、飛行機の整備や安全管理が犠牲にされてはいないだろう
かとの旨のことを話していましたが、そうした観点での警告を早くからならし続けていた著者。確率ではいかに低い差にすぎないとしても、事故は
必ず起きてしまう環境と、極力起きないように整えられる環境の差が歴然と存在している。
 日航機事故のあと、運輸省は日本航空をふくむ各航空会社にボーイング747の垂直尾翼の隔壁部分の一斉点検を指示したあとの中間報告に
よると、点検が終わった41機のうち23機からボルトの折損など31ヵ所の不具合が見つかった。そのなかには、ボルトの折れたり切れたりしていた
ケースが全部で10機から発見された。
 123便の事故を特殊例にさせられない日航、ボーイング社の体質、さらには航空業界全体の問題を見事にえがき切っています。
 本書の冒頭は、全日空ボーイング727型機の羽田沖墜落事故で、事故調査団の一員として原因の究明にあたり、結論が先にあってそれに辻
褄を合わせていく調査のあり方に疑問をもち委員を辞任した山名正夫さんの話からはじまっている。

  

普及版 日本航空 迷走から崩壊へ
吉原公一郎   人間の科学社
定価(本体1748円+税) 

「沈まぬ太陽」で山崎豊子が取材した、作品の企業背景をうかがえる著作。
当時の日航の腐敗の実態がつぶさに取材されている。
巻末資料がなんともスゴイ。日航の機長組合、先任航空機関士組合、乗員組合による、橋本運輸大臣宛の公開質問状。
日航開発に対する数々の疑惑を立証する資料、監査報告書や昭和61年度の日航の有価証券報告書など、いずれも全文が掲載されている。

    

高木仁三郎 著  巨大事故の時代 
弘文堂(1989)
          

 航空業界を裸にする―失速するエリート産業の明暗

     

    

米国航空規制緩和をめぐる諸議論の展開


  

朝日新聞社会部編 日航ジャンボ機墜落―朝日新聞の24時―
朝日新聞社刊(1990) 定価(本体560円+税)

 事故直後の新聞社の活動の貴重な記録である。
 にもかかわらず、この大事故の報道責任を負った新聞社の記録の本としてみると、事件に対峙している記者の視点や姿勢を窺わせるものが物
足りない。あとがきの、「『新聞記者も同じ血の通った、ふつうの人間なんだな』と感じてもらえたとすれば」の言葉は、なぜか空疎にすら感じてしま
う。客観報道の名のもとに、事実に引きずられていくばかりの、最近の報道の姿、記者の質を感じてしまう。なんて見てしまうのは、「期待を裏切る
朝日新聞」などという穿った見方をついしてしまう、私の偏見なのかもしれない。
 そもそも事故現場に取材に入った記者たちのメモをもとにまとめられた取材記録なのだから、こんな勝手な見かたで本書をみるのは失礼千万な
ことで、本書の価値自体計り知れないものをもっていることに疑いはないのですが、客観的事実を伝えるのが新聞記者の仕事かと、最近疑問に持
ち続けているのでどうしてもひっかかってしまいます。
 もう少し立ち入ったことにそれますが、朝日新聞社会部は、1985年8月12日の事故の翌日、朝刊に膨大な乗客名簿を載せ、その一人ひとりの欄
に、調べられる限りの旅行目的を書きこんで驚かせた。
 取材した記者たちは一生懸命収集した情報なのでしょうが、これは野田正彰氏が以前から指摘しているように遺族の心をどれだけ踏みにじるも
のであったか、当時考えることのできなかった編集部の姿に、記者がなすべきことはなにか、こと日航機事故に関しては毎日新聞と対比してみる
と朝日新聞の記者の姿勢にとても疑問を感じました。


    

吉岡 忍 墜落の夏
新潮社 (1986/08)   新潮文庫(1989/07) 定価(本体514円+税)

国内最大の航空機事故の詳細を調査。その全体像と現代の巨大システムの本質に迫る。講談社ノンフィクション賞受賞





角田四郎  疑惑―JAL123便墜落事故
早稲田出版 (1993/12/28) 定価(本体2200円+税)

 事故原因とされる圧力隔壁説に対して、隔壁破損による機内の急激な減圧は起きていない立証や、ドーンという音の事故発生以前から、ベルト
着用サインが消えていない緊張状態が機内にあった、など注目すべき指摘がでている。
 また、本書は自衛隊がからんだ様々な疑惑説を呼ぶ総元になった本でもあります。



          
宮村 浩高 著  葬り去られた真実
日航ジャンボ機墜落事故の疑惑 1985.8.12.JAL123
青心社(2003/07) 定価1,900円+税





JAL123便  墜落「事故」真相解明
池田昌昭
文芸社(1998/01/25) 定価(本体1400円+税)
「御巣鷹山ファイル」として第3作まで出ている。誰しも理解に苦しむ救助活動の遅れにたいする様々な原因の推論、垂直尾翼破壊の原因に対する疑問など
興味ある推論がでてくるが、事実と推論が2作目、3作目といくほど区別がつかなくなり、ちょっと辟易させられます。

インターネットで解くJAL123便事件
池田昌昭
文芸社(2001/07) 定価1600円+税
  著者の決めつけ論法にはウンザリしつつも、また読まされてしまったという感じ。事実と推論をきちんと区別してくれれば、参考になる指摘もたくさんあるのですが。
  一歩間違えば、週刊誌のゴシップ記事と差がなくなる話題になりかねないだけに、記述に実証的真摯な姿勢が見られないと、論敵側からも相手にされなくなってしまう。
 本書の次にさらに『完全犯罪 JAL123便撃墜事件』文芸社(2003/07)を出されていますが、相変わらず。

 「ドーン」という衝撃の前から解除されているはずのベルトサインが消えておらず、機内は異常な緊張状態にあったという指摘。機内の急速な減圧は起きていないのに、圧力隔壁の欠陥があったとしても垂直尾翼を吹き飛ばすほどの空気の流れは起こり得たのか。当然あり得たはずの自衛隊機のスクランブル緊急発進との関係と、目前の横田、厚木を回避して山岳部へ「迷走」していったのは、被害回避行動か、操縦不能による自然な結果といえるのか、誘導はなかったのか。事故直後の現場に直行していた米軍ヘリの救助を断った事実があるのか否か・・・等々。

 しかし、事故原因の徹底解明と情報の開示がきちんと行われなかったことが、こうした様々な推論を含めた意見がネット上で今も飛び交い続けることになってしまっている一番の原因なのだろう。

 このあたりの謀略説は、確かに墜落現場から日航機の破片とは思われないものが見つかっていたり、不可解な救出活動の遅れなど、疑念を抱かれて当然の実態があります。それだけに、きちんと疑問を晴らすためには、先に紹介した吉原公一郎「ジャンボ墜落」のようなもっと実証的、理論的検証方法が求められます。

 ミサイル撃墜説などについては、娘さんを事故で亡くされた川北宇夫さん(航空安全国際ラリー組織委員会会長)が、「20年ふた昔、そろそろ123便事故も神話が、フィクションが、信じられるようになってしまうかもしれない」との危惧とともに、個々の真相究明から逆に遠ざけてしまっている懸念をしめしていることを、あえてここに紹介させていただきます。
 さらに言えば、謀略があったとしてもなかったとしても、事故が起こりうる危険な状態であった当時の航空業界の問題が、現在、どれだけ解決されているのかということです。

           



JAL123便事故 安全工学の視点から検証する
寺田博之  文芸社 定価 本体1,200円+税
著者は航空宇宙技術研究所(現JAXA)で強度研究室長をされた機体構造の専門家。JAL123便の事故調メンバーではなかったものの、原因の解明には大きな役割を果たした方。国際航空疲労委員会日本代表も務めたこともある研究者です。



JAL再生の嘘 組織の腐敗は止まらない
屋山太郎 著
PHP研究所(2010/06) 定価 本体1,400円+税
腐った翼 JAL消滅への60年
森 功 著
幻冬舎(2010/06) 定価 本体1,400円+税

 国に守られ、政治家と癒着し甘い汁を吸って世界に大きく羽ばたいた“国策”企業。その内実は、親方日の丸体質が染み付いた、危機感欠如のデタラメ経営そのもの。
 25年前の御巣鷹山事故が、内部に溜まった腐敗を一掃する絶好のチャンスだったが、なにひとつ手は打たれなかった。
 高給をヌクヌクと享受する社員は派閥抗争を繰り返し、保身に走る経営陣は為替取引で失敗し抱え込んだ巨額赤字をひた隠す。
 度重なる運航トラブルで乗客のJAL離れが進み、2010年1月とうとう2兆3000億円もの負債を抱えて倒産した。
 59年間にわたる堕落ぶりを描いた、組織tと人間のドキュメント。 (本書オビより)

     

JALが危ない 全日空に比べなぜトラブルが多いのか
国土交通省の2度にわたる事業改善命令の背景を追う
広岡友紀 著
エール出版社(2006/03) 定価 本体1,500円+税

御巣鷹山墜落事故から20年の節目にあたる年に、日航は国土交通省から2度目の事業改善命令をうけ、企業内の内紛はその後もとどまることがない。
著者はJALの企業体質が御巣鷹山の惨事と深く関係していること、とりわけパイロットの問題に着眼し、ジャーナリストの本来の役割を問いながら、JALの核心に迫る。
     

     



日本航空連続事故
内部からの提言 安全飛行への道はあるか
日航機事故真相追究プロジェクトチーム編
水曜社(1986/07/25) 定価(本体1500円+税)

航空問題研究会編
『航空機の安全 現場からの報告』
大月書店(1986/08)
    

永峯正義 著
『ゼロの確率を求めて 原因別航空事故史』
ぺりかん社(1987/06) 

柏原 久 著
『無事故記録に明日はない 全日空22年の苦闘』
日本放送出版協会(1993/09)
定価 本体1,456円+税 
    



墜落 (全10巻)
加藤寛一郎
講談社
 著者はこの分野の第一人者なだけに、常に日航機事故に対する言動は注目されてきていましたが、いつも豊富な事例紹介で分析が深いわりに物足りなさを感じていました。
 ようやく、技報堂から’87年に刊行されていた本の文庫化された改訂版で全貌に対して論及してくれました。
 文庫版補章として、「一八年後にみた日航機事故」が加えられましたが、やはり物足りない感じ。
 例えば、「急減圧なし」は妄説と題したところでも、ジェット戦闘機のような狭いコックピットで瞬時に起きる急減圧と巨大旅客機の胴体内で5秒もかけて起こる急減圧の差を理解しないことによる妄説としただけで、それ以上の説明もなく退けてしまっています。
  よく、こども電話相談室などででる子供の素朴な鋭い質問に対して、専門家が長い説明をしていながら、肝心な子どもの疑問点に少しも答えていないやりとりを耳にします。最近の子供は気遣いに長けた良い子が多いので、ほとんどの子は「わかりましたかー?」と聞かれれば、十分納得できなくても放送時間まで気にして「ハイ!わかりました。」と答えてしまうのですが、私たちはそうはいきません。
「加藤先生!やっぱり、ボクにはわかりません!」

『壊れた尾翼  日航ジャンボ機墜落の真実』
講談社+α文庫(2004/6)
定価 本体933円+税
  

『爆発JAL123便 航空機事故、複雑怪奇なり』
大和書房 だいわ文庫(2006/06)
定価 本体619円+税
前記の「加藤先生!やっぱり、ボクにはわかりません!」という言葉が、まるで届いたかのような本でました。航空機の性能とパイロットの判断能力にポイントをおいて、過去の類似航空機事故の生還例を詳細に紹介しています。
 
加藤先生!でも、この本を読んでもまだよくわかりません。ひとつの事故の原因は、技術的な問題ばかりではなく、操縦士以外にも整備技術者や企業風土などの様々な人的要因がからんでおり、それらを含めて説明してもらわないと、同じメーカーの機体でありながら事故の多い会社を少ない会社の問題、機長の判断の違いなど説明しきれないと感じます。

    

墜落!その瞬間
  ボイスレコーダーが語る真実
マルコム・マクファーソン編著
山本光伸 訳
青山出版社 (1999/6)
定価 1900円+税

様々な航空機墜落事故の、最後のボイスレコーダーの記録を紹介。
コックピットの最後の緊張状態が伝わってくる。
(JAL123便のボイスレコーダーはネット上(アメリカのサイト)で聞くことができます)
  

ブラックボクス 航空機事故はなぜ起きるのか
ニコラス・フェイス/著 小路浩史 訳
原書房 (1998)



新説日本航空機事故簿
内藤一郎
亜紀書房(1994/10/25) 定価(本体1650円+税
墜落の背景 上・下
山本善明
講談社(1999/10/01) 各定価(本体1600円+税)
   
空いっぱいの危険
全運輸省労働組合
朝日新聞社(1983/11)
定価1200円
 未だに航空機のニアミス事故が頻発していますが、石原東京都知事が騒いだ、米軍や自衛隊の軍用空域の隙間を通らねばならない民間航空路の問題を早くから指摘していた本です。
 空域の問題のほかにも、管制官の過重勤務や高度な機械に依存したシステムトラブルの問題などが詳細に調査指摘されています。
 既に絶版になった本ですが、お店で閲覧できます。
  
飛行機はなぜ落ちるか
遠藤 浩
講談社(1994/05)
 
ハイテク機はなぜ落ちるか
遠藤 浩
講談社(1998/05)

危ない飛行機が今日も飛んでいる 上・下
メアリー・スキアヴォ
草思社(1999/06/10)
上下各定価(本体1600円+税)

これだけ、世界中で危険な飛行機が飛び続ける事実を見せつけられると、誰しもちょっと「確率」だけで割り切って飛行機に乗る勇気は無くなってしまうだろう。
 しかし、ここに取り上げられているのは、まったく誇張のない事実である。
   







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一部、分類に無理もありますので、是非、あわせてご覧ください

責任のゆくえ  「他人の死」を語ることの難しさ  「墜落遺体」の衝撃 
「上野村」が教えてくれること
御巣鷹山慰霊登山   上州の御巣鷹山について

黒沢丈夫(くろさわたけお)   飯塚訓(いいづかさとし)  小倉寛太郎

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