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飯塚訓(いいづかさとし)



 1937年、群馬県に生まれる
 日本大学法学部卒業
 1960年、群馬県警察官として採用され、以後、警察本部課長、警察署長、
警察学校長等を歴任。
 1985年、高崎署刑事官在職時に、日航機墜落事故が発生、身元確認班長に。
 1996年、退官。

 現在は、日航機事故と様々なひとびととの出会いを通じて感じた「命の尊さ」「今この世に生きていることのありがた
さ」について、各地で講演活動を行っている。
 最近では小学生、中学生、高校生などを対象とした教育現場からの依頼も多く、日航機事故の語り部として活躍され
ています。

 
 著  書

  「かんくさん物語」                    あさを社       1996年3月(絶版)
   


 

 
 「墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便」      
講談社        1998年6月

 
  「墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便」      
講談社+α文庫   2001年4月


 「墜落現場 遺された人たち」  
  講談社        2001年5月
       


 「捕まえるヤツ逃げるヤツ 刑事部屋事件簿」
文藝春秋       2000年3月
  
 
  
  
「完全自供 殺人魔大久保清VS.捜査官」
講談社        2003年3月
  

     

 私は、飯塚さんの著書を読んだり、講演を聴いたりしたが、飯塚さんの人柄を最も窺い知ることのできる作品として、
「かんくさん物語」を第一にあげたい。

 「かんくさん」とは、管区駐在お巡りさんのこと。


 五木寛之沖浦和光の対談『辺界の輝き』岩波書店(2002/03)を読んでいたら、かんくさんについてこんな記述がありました。
 「群馬県出身の人の話ですが、警官のことを「カンクさん」と子供のころ言ってたというんですよ、「さん」を付けて。どういう字を書くんだと気になっ
たので、ちょっと調べてみました。何のことはない、官の狗ですね。中央政府から派遣されてくる鹿児島(出身の)巡査とか、そういう連中に対し
て、官の狗だというので、官狗と呼んだ。」
 
 なかなか語源の断定というのはむずかいいですね。




 山に囲まれた群馬県ならではの、山間部僻地に赴任した「かんくさん」の地元住民との交流を描いた短編集。

 ダム工事で一時的に賑わう須田貝駐在所の話。村の人によけいな迷惑をかけてはいけないと、病んだ子どもを吹雪
の中、病院のある町まで背負い、遭難しかけたところを村の人々に助けられた話。群馬、長野の県境に位置する山奥
に暮らす、住民登録すらされていないおばあさんとの出会い。など等。
 いずれも須田貝、藤原、砥沢、六合村、万場町、上野村、高山村、追貝、松井田町などの山間部の駐在所へ、時に
は、身重の若い妻や小さな子どもをつれて赴任した若い「かんくさん」の心温まる話である。村の住人ひとりひとりとの
交流の姿は、ここに警察の原点があるともいえる私たちが忘れかけているものを思い出させてくれます。私は、この短
編集の短い文章のを読む合間合間に、ひとつひとつは些細な話であるが胸がいっぱいになり、何度も読むことを中断
せざるをえませんでした。

 私はこの本を読んで、飯塚さんの日航機事故の遺族に対する気持ちや、上野村の人々に対する暖かい眼差しの背
景を知りえたような気がします。



油断大敵―刑事(デカ)部屋事件簿 (文春文庫)

  刑事病






墜落捜査 秘境捜査 警察官とその妻たちの事件史 
飯塚訓(いいづかさとし)
さくら舎(2013/4/12) 定価1,500円+税

高崎署の刑事官時代は大きな事件が続いてありましたから、家族で夕食の膳を囲むのは月に三回ぐらいでしたねぇ。
まるで母子家庭のようでしたよ。夫の深夜帰りには慣らされてきましたけど、日航機事故だけは特別でしたわねぇ。
深夜から明け方に帰ってきて、二、三時間休んですぐに現場に出かけるような状態が一ヶ月以上も続いたんですからね。
疲れが重なって、言葉も行動もちょっと普通ではなくなってきたので、いつ倒れるか、と心配でしたよ。
あたしの名前だって忘れちゃったくらいですもの。(「はじめに」から抜粋)





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黒沢丈夫(くろさわたけお)   小倉寛太郎


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