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       仮称
群馬「吉村昭」愛読友の会



 なんてったて吉村昭はスゴイ!
 そういいながら私自身その凄さは、長い間知らなかった。
 かれこれもう20年昔の話になるのだろうか。学生時代、同じサークルの友人が、「ボクは吉村昭と山本周五郎が好きです。」てなことを言ってい
たのが頭に焼き付いている。
 ただそれだけの会話なのだが、その友人が当時の私の周辺では珍しくとても律儀な性格の男で、そんな人間が好きだといった作家が、吉村昭
と山本周五郎か、ふーむ。
 当時の私は、山本周五郎の「さぶ」しか読んでおらず、吉村昭に対しては、なんとなく戦記ものの作家というイメージがあり、ただ「ふーむ」としか
答えられなかった。
 それから20年も経ってから、私は吉村昭の熱烈なファンになってしまった。
 昔の友人の言っていることを理解し得なかった自分が、悲しく、今になってその友人が、やっぱり律儀なだけじゃなく、イイヤツだったんだなと思い
直している次第である。

 当時、私が信頼する友人が好きだと言っていたにもかかわらず、読む気にならなかったのは、多分に新潮文庫と文春文庫のカバーの色に原因
があるような気がする。
 「戦艦武蔵」や「零式戦闘機」などのタイトルが黒い背表紙でズラリとならんでいたり、文春文庫に至ってはなんともくすんだ緑色の背表紙。どう
みても暗い戦記物の作家、そればかりか、なんか「右」っぽいイメージすらもってしまう。
 漠然とそんな印象を持っていたが、当店のお得意さんでこのHPにしばしば寄稿もしてくれる柏木さんが、すごい読書家であるにもかかわらず、や
はり吉村昭に対してなんとなく戦記ものの作家というイメージを持っていたようで、その凄さにわたしと同じように長い間、気づいていないことを知っ
た。
 今に至っては私にとって、新潮文庫の黒い背表紙も、文春文庫のくすんだ緑の背表紙も、吉村昭の雰囲気をうまく出したいい色にみえるが、吉
村昭の作品内容を知らない人にとっては、あの文庫の背表紙の色は吉村昭の読者を増やす大きな壁になっているのではないかと思えてならな
い。私たちと同じような無知な偏見が、本来もっともっと増えてよいはずの吉村昭の読者を減らしてしまっているのではないだろうか。

 ならば、なんとしても、私や柏木さんのようなちょっと出遅れた幸せ者を増やすためにも、ここで男なら、ひとつ立ち上がらねばなるまい。
 そして昔の友人佐久間君への懺悔もこめて。

 群馬吉村昭支援同盟! 
 群馬吉村昭ファンクラブ(ミーハ―っぽい?)
 まあ名前なんてなんでもいいから、まず行動!

 世の中、強固な意志を持った人間が二人いれば、大抵のことはなんとか変えられる。
 強固な意志を持った人間が3人集まれば、多数派が形成できる!

 そんな次第で(仮称)群馬「吉村昭」愛読友の会を勝手に立ち上げていました

 早速、柏木さんからの寄稿をいただいた。

         吉村 昭 氏のこと
                   吉村昭 分野別著作一覧
         


 評論家の佐高信が、吉村昭について対談でこんなことを言っていました。

 昭和2年生まれの作家として、藤沢周平、吉村昭、城山三郎、結城昌治がいます。私は藤沢周平には司馬遼太郎へのライバル意識は無かった
と見ている。藤沢周平は「司馬さんの小説はあまり読んでいない」という発言をしていて、私流に翻訳しれば、つまりそれほどのものじゃないよと。
それから吉村昭さんは選考段階で司馬遼太郎賞を断っている。これも私の言い方ですが、格が違うよと。紙芝居と一緒にされちゃ困るよと、そうい
うことだと思うんです。もちろん吉村さんはそんなこと言ってませんが。


佐高信×高橋敏夫 『藤沢周平と山本周五郎 時代小説大論議』より
毎日新聞社(2004/11) 定価 本体1,600円+税

たしかに、一度吉村昭の作品を読んでしまうと、多くの人が絶賛する司馬遼太郎の『坂の上の雲』ですら、紙芝居のよう
にみえてしまいます。
                          関連ページ『日露戦争と群馬県民』



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