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『村逃げ』著者からのお手紙



『村逃げ』の掲載紹介のご承諾をいただくために、
著者である羽鳥安雄さんに連絡したところ
以下のようなご丁寧なお手紙をいただきました。
著者のこの本に対する思いが、とてもよく伝わってくる内容なので、
羽鳥さんにご承諾いただき、ここに掲載させていただきます。

(改行などの表現は、WEB上で読みやすくするために原文とは異なっています)




 前略
 昨日は、インターネットでの『村逃げ』ご紹介ありがとうございました。

 部落(いまはこういう言葉は使いませんが)の古い話、子供心に聞いた父達の言い伝えを多分に脚色しフィクションと
して書いてしまいました。書きながら私は、言い伝えを小説に書くというよりは自分を書きたくなってしまったような気が
いたします。

 又七は、私の理想とする人間像です。
 理想とする人が、志なかばで討ち死するというのは、どうかとお思いでしょうけれど、それはその人の生き方なのだか
らしかたのない事ではないでしょうか。又七達も村逃げをしてくる時、曲がり沢の崖を取り崩してしまえば、追っ手は攻
めてこられなかったかもしれません。でもそれをしたら赤城山の南と北の人の行き来は出来なくなってしまう。
 私は、始め壊してしまおうと思いました。でも壊したら人間でなくなってしまう、そう思ったのです。私は、人間はどんな
苦しい事があっても、人間として生きていかなければならないと思います。

 茂左衛門が直訴したのも、生き方としては村逃げの中の又七と変わりないような気がいたします。
 茂左衛門に頼まれて訴状を書いた覚端法院は、生きながら石子詰めの極刑に処せられた。赦免の上使が江戸から
早馬で駆けつけたが、処刑のすんだと聞き、役人として面目なしとその場で自刃した。
 権力の座にいる人達は別にして普段普通に生活している人達は、皆それぞれが良い人だと思います。
 ただ弱い人というのがいます。
 そういう人がどっちつかずで転ぶのだと思います。
 でもその人でも本質は良い人かも知れません。

 村逃げの中でも清治は自分を持った良い人です。
 次郎吉は始めのままの人だったら悪い人ですけれど心の本質は良い人だったのです。だから改心したのです。
 手勢が攻めてきたとき吾平と作造は逃げてしまうけれど、この人だって決して根っからの悪人ではなく弱かっただけ
の人なのです。

 
 世の中良い人と悪い人では良い人の方が遥かに多いように思うのですけれど、なかなか本当に良い世の中ではない
ような気がします。それはどうしてなのでしょうか。
 吾平や作造のような悪人でなくともどっち付かずの人が多いからでしょうね。
 私は又七ほどでなくとも、せめて清治や、茂左衛門の赦免の知らせを持ってきた役人のような自己責任を持っている
人が多ければ、きっと良い世の中になるのではないかと思います。

 そんな世の中社会を作る為にささやかでも努めて生きていきたいと思います。
 言いたい事を書いてしまったような気がいたします。ご笑止ください。
 まずは御礼まで
                                            敬具

                平成十五年六月十五日     羽鳥 安雄




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