森田 保 編 利根川事典
新人物往来社(1994/12) 定価 本体11,650円+税 品切れ |
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単純な地名や用語の事典ではなく、土木、治水、産業、水運、文化、民俗などといった項目ごとに、
「利根川東遷事業の目的はどこに」「利根運河の企画者はだれ」「浅間山噴火は利根川にどんな影響を与えたか」「利根川治水の最大の悲劇は?」「『利根川図志』の作者、赤松宗旦は二人いた?」などの興味深い設問によって構成されている事典です。
これは絶対、古書検索で入手されることおすすめの本です。
利根川荒川事典
利根川文化研究会編
国書刊行会 (2004/06) 定価5,800円+税
利根川の歴史
金井忠夫
日本図書刊行会(1997/2) 定価1942円+税
利根川と荒川、烏川、渡良瀬川などの治水の歴史を詳細解説。
山崎不二夫編著
『明日の利根川 ゆたかな清流への提言』
農文協(1986/02)
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蒼い畳
永井佐紺(ながいさこん)
上毛新聞社(2000/12/06) 定価1200円+税 |
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郷土史研究で活躍されている著者が、幕末の上州、武州、江戸を舞台に、綿密な時代考証のもと書き上げた時代小説。若い二人が上州から江戸への逃避行をはかる道中が、当時の利根川水運の綿密な描写とともに描かれている。作品の仕上がりは惜しいものがあるのですが、個々の素材は優れているので、脚本を再構成でもせれば、利根川一大時代劇映画でも作れそうな作品。
川の水運に関しては
丹治健蔵『関東河川水運史の研究』法政大学出版局(1984)、渡辺英夫著『近世利根川水運史の研究』吉川弘文館(2002)13,000円や川名 登著『近世日本の川舟研究 上・下』日本経済評論社(2003)各巻8,000円、川名 登著『河川水運の文化史 江戸文化と利根川文化圏』雄山閣出版(1993) 11,650円、など詳しい研究書が多数刊行されていますが、ちょっとこの値段では普通の人では買えないですよね。
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川名 登 群馬の水運史
上毛文庫(1987/09) |
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「群馬県を流れている最大の河川は、利根川である。と、同時に、県内の河川で利根川に合流していない川は一本もない。」という本書冒頭のことばは、言われてみればなるほどあたりまえのようで、じつに群馬の地理、歴史を大きく規定している重要な事柄です。
その利根川も、かつては利根川と渡良瀬川、荒川が洪水のたびに川筋を変えながらも、お互いに交わることなく三本が並行して江戸湾に流れ込んでいた。
それが明治になって鉄道ができるまで、水運の要として、いかに人の手が加えられ、たび重なる洪水と闘いながらその姿を形作ってきたか歴史的に考証している本です。
荷馬が陸運の基本であった時代は、馬一頭に米二表を飼葉をやりながら宿場に宿賃を払って泊まりながら運んでいたのに対して、舟運は、危険をともなう海上もふくめて、何百俵という単位で一度に運ぶことが可能運送方法として最重要視されていた。
それだけに今の姿からは想像もつかないことですが、吾妻川や鏑川までかつては舟運が行なわれていた歴史があります。
それほどまでに舟運にこだわった背景が、吉村昭の『漂流記の魅力』(新潮新書)に、簡潔に説明がされていました。
たとえば、越後国(新潟県)から江戸へ千俵の米を送るとする。現在の常識ではむろん陸送だが、当時はそのような方法はとらず、ほとんど不可能であった。
千俵の米を陸路送るには、五百頭の馬の背に二俵を振り分けにして進む。馬には、馬引きの男が五百人つき、一日の行程を終えて宿場につくと、馬の背から米俵をおろして保管料を支払って蔵に運び入れる。(中略)
(それに対して舟運は)十人足らずの船乗りのあやつる船に千俵の米が積み込まれ、船は越後国の港を出ると日本海を南下する。
船は日本海の陸岸ぞいに進んで下関海峡をぬけ、瀬戸内海に入って大阪または兵庫(神戸)につく。そこから紀伊半島をまわり、遠州灘、相模灘を経て江戸湾に入り、江戸について米をおろす。
現在では考えられないような長い航路を進むわけだが、飼料を多く食べる馬とちがって船は風さえあれば走る。費用といえば、船乗りたちの食費その他生活用品だけですみ、船で運ぶほうが、陸送よりも比較にならぬほど安くすむ。
(またそれは)冬季をのぞく日本海はあたかも湖面のようにおだやかであったから(可能なことでもあった)
広瀬武著『渡良瀬の水運』随想舎(1995/03)も是非見てみたい本ですが、まだ入手できません。 |
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孤愁の岸 上・下
杉本苑子 著
講談社 文庫 (1982/2) 上 定価 514円+税 下 定価 476円+税
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利根川とはまったく関係ありませんが是非読んでいただきたい小説です。
江戸時代、財政難に喘ぐ薩摩藩に対して、幕府は露骨な外様潰しの策謀として濃尾三川大治水事業を命ずる。島津家は、再三に及ぶ幕府の持ちかける難題は外様潰しの策謀と知りつつも、戦で勝ったものと負けたものの宿命下における平時の戦争として、未曾有宇の難工事を屍を累々と重ねながら完成させる。誰のために?何のために?「人」と「自然」と「宿命」との戦い。史上名高い宝暦大治水を描ききった著者の直木賞受賞作。
文字通り命をかけて、困難な治水工事、資金対策に取り組んだ薩摩藩の姿を、現代の公共事業関係者にも見てもらいたい。 |
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新沢嘉芽統、岡本雅美 共著
岩波書店
定価6800円+税(1985/6)
定価7300円+税(1988/6)
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利根川と蚕の村 上州島村史話
金子緯一郎
上毛新聞社(1979/07) 定価 1,400円 絶版
(群馬県下の県立、市立図書館にはほとんどおいてあるはずです) |
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天明の浅間山噴火や利根川の頻繁な氾濫洪水が、いかに群馬の農民に稲作から他産業への転換を必然ならしめたか、とくに養蚕と舟運業への転換が先進的にはかられた島村の歴史を通じてわかりやすくまとめられています。
舟の大きさによる舟運の江戸までの上り下りの所要日数や、地元に伝わる口説き歌など、著者が聞き取りによる調査を重ねたあとが随所にみられる、お宝話満載の好著です。
川の変遷と村
利根川の歴史
玉城 哲
論創社 (1984/1) 定価3000円+税 |
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天、一切ヲ流ス 江戸期最大の寛保水害・西国大名による手伝い普請
高崎哲郎 著
鹿島出版会(2001/10) 定価 2000円+税
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八代将軍・徳川吉宗は、「手伝い普請」の名目で、台風被害を受けていなかった西国の十藩(熊本、萩、津、岡山、福山、出石、鯖江、丸亀、飫肥、臼杵)の大名に復旧工事を命じた。
関八州水没という「生き地獄」の惨状と厳冬での突貫工事の苦闘を描き出す歴史文学。
(オビ解説文より) |
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洪水、天ニ漫ツ カスリーン台風の豪雨・関東平野をのみ込む
高崎哲郎 著
講談社 (1997/4) (品切れ) 定価 1900円+税
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利根川上流のダム建設推進の大きなきかけとなったカスリーン台風。一日半で年間総雨量の四分の一が降ったといわれ、各地に甚大な被害をもたらした。
利根川の堤防決壊などによる氾濫は、東京に至る膨大な流域に及んだが、もっとも被害の大きかったのは、最上流部の群馬県であった。
それは戦時中の木炭生産などによる乱伐で、裸状態になってた赤城山の裾野に、山津波となって襲いかかり、家屋や人命を一瞬のうちに飲み込んでしまった。勢多郡敷島村(現赤城村)や富士見村、桐生市や足利市の惨状は想像を超えるものであった。
それは戦後復興の緒についたばかりの、まだ食糧難の時期。ようやく豊作の秋よむかえようとっしていた矢先のことであった。
失意のどん底で、被災地復旧の先頭にたってくれたのは、図らずもアメリカの進駐軍であった。彼らは豊富な物資を惜しむことなく提供してくれたばかろでなく、指揮官が先頭にたって陣頭指揮をとり、パブリック・サーバントのなすべきことの手本を自ら示してくれた。
その後、群馬県は被災大県となり、財政難に陥る。埼玉県とならび、公営ギャンブルの先進県に踏み込んでいった背景がここにある。
八ツ場ダム建設の口実に利用されているカスリーン台風ですが、利根川治水、災害対策を考えるうえでは欠かすことのできない台風災害レポートです。
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利根川の洪水 語り継ぐ流域の歴史
利根川研究会編
山海堂 (1995/03) 定価 本体2,800円+税 |
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目次 1、水源から河口まで; 2、利根川の洪水の歴史 3、洪水規模の拡大 4、洪水の破壊力 5、洪水被害 6、洪水対策 7、治水計画 8、これからの治水環境
宮村 忠 著『水害 治水と水防の知恵』 中公新書(1985/06)
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利根川・隅田川
安岡章太郎 著
旺文社文庫(1976/06) 絶版 |
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昭和40年代の本ということもあり、ダム開発が火力発電などにたいして優れているなどと賛美されている時代の内容ですが、安岡章太郎の文章が冴えわたった素敵な本です。渋川市立図書館でハードカバー版を読むことができます。
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松村 昭 作・絵
アトリエ77(1983/04) 定価 本体1,300円+税
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崙書房出版(2001/10) 定価 2000円+税
オオタカの棲息地保護ばかりが問題になりがちですが、「オオタカよりサシバを守るべき」という鷹匠の論理を紹介。 |
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天野礼子編
共同通信社 (1997/04) 定価 本体1,800円+税 |
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