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かみつけの国 本のテーマ館 第一テーマ館

田舎で「美しく」暮らす

  

高橋まゆみ作品集 写真/梶 洋哉  『草の道』
講談社 (2005/06) 定価 本体2,381円+税


    

高橋まゆみ 創作人形の世界 まなざし
新風舎 (2001/09) 定価 本体2,500円+税

 こうした田舎の本来普通であった暮らしの姿を、懐古趣味ではなく、
まさにそこにあるがままの姿で、高橋まゆみさんの創作人形は見事に表現しています。





ところが、日本国内、どこへ行っても開発優先時代の悪の遺産もありますが、こうした風景が失われ続けています。
しかし、目に入る景色のなかに電柱と看板さえなければ
どこでも完璧ともいえる風景が広がっていることも感じます。

      
船瀬俊介 著
『日本の風景を殺したのはだれだ?』
彩流社(2004/02) 定価 本体1,900円+税



(わたしたちが)心に描く理想郷とは
土に風に草一本に先人の遺徳が息づき
それを味わえる人が多くいる所。
人も物もすべてがイキイキキラキラしている所
皆が自分たちの住む場所に誇りをもって、
すべてに思いやりあふれる場所。
それぞれの個性を尊重しあいながら
万物を活かし直そうと努力工夫する所、等です。

吉川美貴『心を育てる地域・観光・人間力の教育』明治図書 より








「ひと」それぞれ、「地域」それぞれの答えを求めて
美しい暮らしの姿を一緒に考えてみましょう

それは、美しい自然に囲まれて、田舎でただのんびりと暮したいといっただけのことではありません。

また、農業や林業、漁業は大事だからと
単純に補助金を増やして守ろうということでもありません。


先端産業ですら、圧倒的な自然資源に依存した産業であり、
 短期的にその自然資源を食いつぶす経済発展そのものが行き詰まっています。
 
今、世界で起きていることは、
 農業、漁業、林業などを再生産可能な資源として効率的に活用する方が、
 より高い国民総生産と安定した発展を保証するものであるということです。





家庭菜園に井戸に雑木林に石油缶ストーブがあるだけで、世界はまるで変わる。
 
お金で結ばれた関係だけではない、日ごろの縁と恩でつながった人間関係があるというだけで、
 いざというときにはかけがえのない助けとなる。
 
「里山資本主義」とは、お金の循環がすべてを決するという前提で構築された「マネー資本主義」の経済システムの横に、
 こっそりと、お金に依存しないサブシステムを再構築しておこうという考え方だ。
 
お金が乏しくなっても水と食料と燃料が手に入り続けるしくみ、いわば安心安全のネットワークを、
 予め用意しておこうという実践だ。
 
勘違いしないで欲しいのだが、
江戸時代以前の農村のような自給自足の暮らしに現代人の生活を戻せ、という主義主張ではない。
 
お金を媒介として複雑な分業を行っているこの経済社会に背を向けろという訳でもない。
 
(略)
 
森や人間関係といったお金で買えない資産に、最新のテクノロジーを加えて活用することで、
 マネーだけが頼りの暮らしよりも、はるかに安心で安全で底堅い未来が出現するのだ。
 
藻谷 浩介 (著), NHK広島取材班 (著)







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議論や分析ばかりしてないで「攻めてみよ!」
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人のつながり コミュニティデザインの時代
                高齢者率、独居老人率日本一の元気な島『大往生の島』
自然と社会の再生産の基礎単位としての家族
「上野村」が教えてくれること   アワニー原則、サスティナブル・コミュニティのこと






「息子やむすめたちに、努力に努力を重ねてふるさとを捨てさせるのは、もうやめにしたい。
田舎に残った自分はだめだから、自分のようにならないで欲しいという自己否定は終わりにしたい。
そうではない時代が、幕を開けつつあるのだから」

広島県の最北部、庄原市の和田芳治さん『里山資本主義』より




自宅につくった展示棚








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私は、各地のこだわりの書店、古書店、あるいはブックカフェなど、いろいろな店をみてまわりますが、
大抵は、店主の昔のコレクションの延長を並べるだけの場合が多く、「素敵な店ですね」と褒めはするものの、
自らの購買意欲や読書意欲をさそうような店に出会うことは、なかなかないものです。

ところが、以下に紹介する本とコーヒー 麦小舎さんと百年文庫さんは、
これまでには出会ったことがないほど、本のセレクトとその空間づくりが、
北軽井沢というバックグランドも加わり、それぞれが理想のかたちをつくっています。

まさに、このテーマ、「田舎で美しく暮らす」の理想形でもあります。




北軽井沢にあるBookCafe 
本とコーヒー 麦小舎 さん















  





「LUOMの森」内のブックカフェとして営業されている百年文庫さんは、
その本のセレクトが一際すばらしく、見事な読書空間をつくられています。














『浅間』天明の大噴火のページでも紹介してますが、浅間山関係の本の品揃えも充実してます。











このふたつのブックカフェは、「かみつけの国 本のテーマ館」のリアル店舗版の理想像を実現したような空間です。

もちろん有名な観光地ではありながら、都会と違って、土日集中型で冬季はほとんど営業にならないような立地です。

だからこそ、他の本業を持つスタイル(本とコーヒー 麦小舎
あるいは「LUOMの森」という複合施設の一部門(百年文庫として
単独の事業スタイルでは真似のできない姿をつくれているともいえます。

地図をたよりにしないと、ちょっとわかりにくい場所ですが、是非、みなさん一度訪ねてみてください。














普通の書店でコーナーをつくると、頑張ってもこのようなものになり、麦小舎さんや百年文庫さんの空間には遠く及びません。







「いまから十五年くらい前の夏、長野県へ抜けようとしていた私は南上州の山村に迷い込んだ。その日は近くを小型の台風が通過していて、糸の
ような雨が降りつづいていた。この村を通る中山道の裏街道、十石峠街道を包む奥秩父の山中谷は霧にかすみ、山の木々が白いヴェールをかけ
たように映っていた。

 私は何度も車を停め、そこに広がる村をながめていた。深く切れ込んだV字谷とその底を流れる神流川、神流川にそって伸びる道、点在する集落
と山の傾斜地につくられた畑、それらのつくりだす景色は、私には信じられないほどに美しいものに見えた。

 なぜこれほどまでに美しいのだろうか。私には不思議だった。特別形のよい山があるわけでも滝があるわけでもない。どこの山村にもあるような
平凡な山があり、森があり、川があり、畑と家並みと道がある。それも山村というより寒村といったほうがよい。山の畑には蒟蒻と桑と麦の葉がみ
え、水田は一枚もない。栗板で葺かれた屋根、その上に乗せられた石、いかにもつつましい村があり、そのすべてが雨に濡れている。

 それが私がはじめて訪れたときの上野村だった。」

 

 内山 節 著『 情景のなかの労働』 有斐閣(1988)より

  こうしてひとりの哲学者が東京と上野村の二重生活をはじめるようになり、そこに働き、暮らし、生きている人々の生活を知るにしたがい、私た
ちに「働く」ということの本来持っている意味について、かけがえのない報告をしてくれるようになる。









 余暇をレジャー施設に頼らなくても、お父さんが子どもを十分楽しませることができる野山や水辺の環境。

 生活そのものが、美しい景色を描けるような生業(なりわい)。

 なにも健康のためではなく、歩くことそのものが、楽しくてたまらないような田舎の景観を取り戻すこと。

 これらはみんな、これからの私たちの仕事です。









* このテーマ館は、どうも内容を欲張り過ぎていて、まとが絞りきれていません。いずれ、もう少し内容を分解しなければいけないと思っています。

 まだ未完成のページも多いですが、どうぞ以下の各テーマをのぞいてみてください。





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